このマンガのレビューも今回で終わりだ。
最後はアイリの話なんだけど、私は正直なところ、この回のレビューをどう書こうか迷っていた。
最後だから、色々と気が利いたことを書こうかとも思ったけど、やっぱり、思っていることを正直に書こう。
アイリはカメラマンの事務所に所属していた。
空の写真ばかり撮っていたけど、写真を通したアイリの想いは他人に伝わらず、事務所を辞めてしまった。
事務所の社長は感じが悪い女性だったけど、いいたいことはわからなくもない。
写真の撮り手がいろんな思いを抱えていたとしても、見る方は撮られた写真が全てだ。
それはマンガも同じで、自分はこう思って描いた、といっても、読者に伝わってなければ意味がない。
それでも負けずに写真を撮り続けるアイリは素敵だと思ったし、美穂のいう通り、失敗を糧にして、これから成長すればいいと思う。
そして、事務所の社長から見てもアイリは見込みがあるからこそ、厳しい意見をいわれて、アイリの面倒を見るように頼んでくれたりもするのだろう。
私は雪国育ちではないから、雪の日に訪れる静寂を知らない。
アイリは自分の育った環境から、困っている人に手を差し伸べられる人間になったんだろうね。
アイリはいつも笑顔が素敵だと思っていたけど、アイリがいつも笑顔でいるのはこういう理由があったんだね。
その次のページの見開きは本当に綺麗だね!!
やっぱり、三部先生は見開きの描き方が上手いよね!!
そして、被写体を探しているときに悟と出会った。
ここでこのマンガを終えるところがセンスの高さを感じるよね。
本当に素晴らしいマンガで、私が読んだ21世紀最高の作品だったと思う。
でも、正直に書くと、アイリはちょっとヒロインとしての印象が弱いかなと思う。
キャラは立っているし、いいエピソードもたくさんある。
しかし、加代のエピソードが良過ぎて、薄く感じてしまうのだ。
キャラの魅力が夜空に輝く星々だとすれば、あの星が綺麗、この星が綺麗、と話しているときに、太陽のような存在である加代が現れてしまい、夜が明けて、他の星々が全て見えなくなったような印象を受けるのだ。
だから、個人的には悟が過去に戻って、加代と結ばれた方がストーリー的には良かったと思う。
そうすれば、21世紀最高のマンガではなくて、私の人生最高のマンガになっただろう。
正直なところ、その点は惜しかったと思うけど、三部先生としても、想定を超えて、加代のエピソードが上手く描けたということなんだろうね。
私も加代が助かったときの感動が今でも忘れられないからね。
このマンガは本当に素晴らしい作品なので、読んでない人がいれば、ぜひ読んでみてね!!
本当にオススメだよ!!
では、私もこれでこのマンガのレビューを終わるよ。
これまでつたないレビューに付き合ってくれて、本当にありがとうございました!!