中学の入学式で加代はテニス部の勧誘を受けたが、「バカなの?」といって、そっけなく断っていた。
八代から悟が意識不明の重体になった報告を受けた加代はショックで教室を飛び出してしまった。
そんな加代の後をケンヤが追って、外でコートを渡していた。
そして、カズやヒロミもケンヤについていった。
悟が加代を助けたことで、孤立していた加代もこんなに友達ができていた。
次のページは病院でたくさんの機器を取り付けられて、意識不明になっている悟と看病で疲れ果てている佐知子のショッキングな姿が描かれていた。
加代は一緒に行こうかと持ちかけるケンヤの誘いを断り、1人で病院に向かった。
加代の内心では変わり果てた悟の姿にショックを受けただろうが、疲れている佐知子の手前もあって、いつも通りに振舞っていた。
加代は本当にいい子だね。
そんな加代を見て、佐知子も心から救われただろうなぁ…。
でも、加代は夜の帰り道でボロボロに泣いていた。
それからずっと加代は病院に通い続けた。
季節は移り変わり、加代たちは卒業式を迎えた。
「その足りない『何か』を埋めていくのが『人生』だと僕は考える」という八代の言葉が教室に響いた。
本来、この場にいるはずだった悟がいなくて、その言葉をいなかったはずの加代が聞いていた。
加代は悟が最後に加代の姿を見ていたあの公園で、八代の言葉の意味をかみしめていた。
中学に入って、部活にも入らず、病院通いを続ける加代を見て、佐知子も思うところがあった様子だ。
そんなとき、美里が高額の医療費の足しになるようにと思って、募金を提案した。
ヒロミが加代に教えてくるといったときに「加代は他にやることがあるべさ」といって止めたときの美里を見たら、美里も成長したんだなと思った。
加代が死んでいたら、美里がこんな風に他人に対する心遣いもできなかったんだろうなぁ。
悟が命をかけて、加代とヒロミの事件を止めたおかげで、周りの人間もいい方向に変わっていったのだと思ったよ。
そして、加代の代わりに募金に立つ美里が最高だったよ!!
毎日病院に来てくれる加代の後ろ姿を佐知子が病院の窓から見下ろしていた。
こういう演出が三部先生は実に上手いよね。
ケンヤも加代に「前に進むんだ」と声をかけていた。
加代が悟を思う心はみんなわかっているのだけど、加代自身の人生を大切にして欲しいという思いもあったのだろう。
翌日、加代が病院に行くと悟と佐知子の姿はなかった。
そして、ケンヤが加代に佐知子からの手紙を渡した。
佐知子は加代に感謝しつつ、加代自身の道を歩んで欲しいと書き記されていた。
加代は悟と行った思い出の木の下に向かった。
そして、雄大な自然を見ながら、自分の道を歩むことを決意したのだった。
私個人としては、加代は自分を助けてくれた悟のことが好きだったんじゃないかと思っている。
でも、自分のことを心配してくれる佐知子やケンヤの思いを受け取り、ここから新しい人生を歩んでいこうと決意したのだろう。
私は最初に昭和63年にタイムリープして、加代の殺害を食い止めたと思った矢先に加代の編みかけの手袋がごみ袋に入れられて、捨てられていたのがあまりにもショックだった。
あの演出を考えついた三部先生は本当にすごいと思った。
それがあったからこそ、加代が助かったときは心から安心し、涙が出てしまった。
あのエピソードが良過ぎて、アイリとのエピソードと比較すると、アイリの存在感が薄くなってしまった。
私はこのマンガは21世紀最高の作品だと思っている。
しかし、私的には加代が悟が目覚めるのをずっと待っていてくれて、2人が結ばれていたら、このマンガが人生最高のマンガになったと思っている。
もちろん、佐知子やケンヤの思いもわかるけど、私的には加代への思い入れが深いからね。
だから、私は悟が加代と結ばれて欲しかったと思っていたんだよ。
でも、加代も不遇だった頃を乗り越えた分、ヒロミと幸せになって欲しいよね。
加代は母親に愛してもらえなかった分、自分の子供に愛情を注いであげるんだろうね。
加代がずっと幸せに生きていけますように!!