A-Rod

A-Rod通算成績
http://www.baseball-reference.com/players/r/rodrial01.shtml

A-Rod最後の試合が終わり、ついにあのA-Rodが引退することになった。
通算成績は.295、696本塁打、2,086打点、329盗塁。
全盛期は、通算打率も3割をキープし、メジャーリーグの本塁打記録と打点記録を更新するのも確実と思われていた選手にしては物足りない成績だった。

私はドラフトにはさほど興味がない。
なぜなら、いくらアマチュアですごい成績を残していたとしても、メジャーリーグで通用するとは限らないからだ。
現実として、マーク・アペルやタイラー・コレックみたいに期待に応えられない選手の方がはるかに多いからね。
だから、私はマイナーリーグである程度の実績を残して、メジャーリーグでもある程度活躍できそうな目途が立ってから注目するようにしているのだ。

しかし、ストラスバーグとA-Rodだけは別だった。
この2人だけはなぜかドラフトのときから注目していたのだ。


このブログをいつも見てくれている人ならわかると思うけど、私は基本的に投手が好きで、野手は投手ほど興味がない。
そんな私でも好きな野手は、アルバート・プホルス、A-Rod、デレク・ジーター、バーニー・ウィリアムズ、そしてイチローだ。


A-Rodは、1994年にメジャーリーグにデビューし、1996年にレギュラーになった。
レギュラーに定着すると同時に.358、36本、123打点、15盗塁という素晴らしい成績を残して、首位打者と新人王を獲得した。
私は、ルーキーが、しかもショートの選手がこれだけ打ったことに衝撃を受け、熱心なA-Rodファンになった。

1998年には、.310、42本、124打点、46盗塁でカンセコに次ぐ40-40を達成した。
カンセコは守備の負担が少ないライトだったけど、A-Rodは守備の負担が大きいショートで達成したことに価値がある。
私はこの選手は史上最高の選手になるのではないかと思った。
マリナーズですさまじい活躍を続けて、A-RodはFAで史上最高の年俸総額でレンジャースに移籍した。
A-Rodはさらに進化し、2002年には.300、57本、142打点、9盗塁と自身のシーズン本塁打記録も更新した。


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私は、当時はロジャー・クレメンスのファンだったので、ヤンキースを応援していた。
そのヤンキースには、大ファンだったジェイソン・ジアンビが移籍してきた。
好きな選手をことごとく獲得してくれるヤンキースなら、3番A-Rod、4番ジアンビの夢の打線を実現してくれるのではないかと思っていた。
ヤンキースのショートにはジーターがいたけど、私はショートというポジションにはさほどこわわりもなかったので、サードにコンバートすればいいと思っていた。
ヤンキースにはずっと強打のサードがいなかったし、A-Rodもサードになった方が打撃に専念できて、シーズン60本塁打やメジャーリーグ通算本塁打記録を更新できていいんじゃないかと思っていたからね。

そして、A-Rodを獲得したものの、最下位から脱出できなかったレンジャースは1億7,900万ドルのうち6,700万ドルの年俸を負担してA-Rodをヤンキースにトレードに出した。
交換相手は、日本でもプレーしていたあのアルフォンゾ・ソリアーノだった。


ヤンキース移籍1年目は、.286、36本、106打点、28盗塁と期待されたほどの成績ではなかった。
しかし、2005年は、.321、48本、130打点、21盗塁と素晴らしい活躍を見せ、2007年も.314、54本、156打点、24盗塁と圧倒的な成績を残した。
この年のオフにヤンキースとの残り3年の契約を破棄し、総額2億7,500万ドルの10年契約で再契約した。

しかし、この契約更新の直後からA-Rodの凋落が始まったのだ…。
2008年は、怪我の影響で.302、35本、103打点、18盗塁と大幅に成績が下降した。


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2009年もこの下落傾向を止めることができなかった。
161試合が終わった時点で、.282、28本、93打点だった。
13年連続30本、100打点達成にかすかな望みを持ってはいたけど、シーズン最終戦も7回に入った。
ここでA-Rodは3ランを放った。
13年連続30本、100打点はならなくても、意地を見せてくれたのは良かったと思った。

ところが、ヤンキースの猛攻は止まらなかった。
もしかしたら、満塁になってグランドスラムが出るかもしれないと夢のようなことを思った。
そして、現実に満塁でA-Rodに打席が回ってきたのだ。
この場面で、本当にグランドスラムを放ち、1イニングで2本塁打、7打点という奇跡を起こし、13年連続30本塁打、100打点を達成したのである!!

こんな奇跡があったなら、A-Rodが苦手とされているポストシーズンでの大活躍が期待できるのではないかと私は思った。


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ツインズとのALDS第1戦では、5回にA-Rodがタイムリーを放った。
1打点挙げたことで気が楽になって、ポストシーズンも打てるようになるだろうと思った。

そして、第2戦は8回に守護神のリベラが打たれて、9回裏の時点でで1-3と負けていた。
A-Rodは、2005年以降、ポストシーズンで実力が発揮できず、マスメディアや心ないファンからのバッシングを浴びせ続けられた。
彼はそれに反論しなかった。
その答えはバットで出すしかないのだ。

マウンドには、ツインズの誇るメジャー最高のクローザーの一人であるネイサンが立っていた。
A-Rodの放ったライナーはセンターバックスクリーン右に突き刺さった。

9回裏の土壇場で同点2ランだった!!
静まり返っていた球場は、割れんばかりの歓声に包まれた。
長い年月がかかったけれど、ファンが望んでいたA-Rodの姿がそこにあったのだ!!
そして、延長11回裏にテシェイラのサヨナラ本塁打でヤンキースが勝った!!


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ALDS第3戦は、ヤンキース時代は怪我で全然投げなかったくせに、ツインズに移籍した途端に14勝を挙げ、「ヤンキースで活躍できなかったのはヤンキースが充分なサポートをしてくれなかったからだ」と悪態をついたパバーノが相手だった。
この憎きパバーノ相手にまたしてもA-Rodの神の一撃がさく裂し、ALDSは3試合で.455、2本、6打点という素晴らしい活躍をしたのだった!!


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ALCS第2戦では、延長11回表にアセベスが失点し、追い込まれてしまったが、またしてもA-Rodが同点本塁打を放った!!
正に神のような活躍を見せるA-Rod!!


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A-Rodは、ALCS第4戦でも5回に2ランを放ち、4打数3安打1本塁打2打点で、好走塁も見せてくれた!!
ALCSでも.429、3本、6打点と素晴らしい活躍をしたけど、MVPはサバシアだった…。
私は今でもこのMVPに納得がいかないのだ!!

ワールドシリーズでは、.250、1本、6打点だったけど、この年のポストシーズンは15試合で.365、6本、18打点、出塁率.500と圧倒的な成績を残した。
もし、ポストシーズンMVPがあったなら、この年のMVPは間違いなくA-Rodだったと思う。


しかし、これがA-Rod最後の輝きだった。
2010年は何とか最低限の成績を維持していたけど、2011年からはもはや面影もなくなり、薬物問題でも叩かれるようになった。

それでも、私にとってA-Rodはヒーローだった。
誰がどれだけA-Rodを非難しても、私にとって最高の選手だったことには変わりはない。
私は、生涯A-Rodのことを忘れないだろう!!
たくさんの思い出をありがとう、A-Rod!!