スティーブン・ストラスバーグ

https://www.mlb.com/gameday/braves-vs-nationals/2018/07/20/530858#game_state=live,lock_state=live,game_tab=box,game=530858

ナショナルズは、現実的に逆転優勝することは難しい。
自慢の先発ローテーションは崩壊し、打線の調子はいつまで経っても上がってこない。
チームはハーパーを甘やかし、それを良く思わない選手に不満が積もっていく。
それでも、私はストラスバーグが去年のように後半戦で素晴らしい投球を見せて、奇跡の逆転優勝を果たし、世界一になって欲しいと思っていた。
それがファンというものだろう。

しかし、現実は甘くなかった。
ストラスバーグは4.2回を6三振、2四球、8安打、自責点6と散々だった。
故障が完治すれば、きっと去年の後半戦のような素晴らしい投球が蘇ると思っていた私の希望は無残に打ち砕かれた。

帰宅途中にスマホでチェックしたら、ストラスバーグは初回にいきなり2点を先制されていた。
私の希望が打ち砕かれていく。
それでもストラスバーグが2回から立ち直って、7回を自責点2くらいでまとめ、打線が逆転してくれればいいと思っていた。

自宅に着き、MLB.TVでストラスバーグを観始めた。
ストラスバーグは追い込んでも決め球にチェンジアップを使ってなかった。

チェンジアップでストライクが奪えない。
チェンジアップの空振り率こそ31.3%あったが、ストライク率が50.0%に過ぎないために勝負球で使えないのだ。
ストラスバーグは、カーブを除いた全球種がメジャーリーグ最高級のシャーザーと違って、チェンジアップ以外にメジャーリーグ最高級の持ち球がない。
4シームもカーブもスライダーも平均よりは上、程度の球でしかない。

今季のストラスバーグが良くないのはチェンジアップの不調が原因だった。
私は不調の原因が故障なのではないかと思っていた。
しかし、故障明けでもストラスバーグのチェンジアップが蘇ってなかったことを考えれば、その原因は故障ではなかったということだろう。

それは故障よりももっと深刻な症状ではないだろうか?
チェンジアップの不調を開幕から97試合も経過しながら修正できないということだからね。
それはストラスバーグ自身の修正能力が足りないということだし、リリーキスト投手コーチの指導力も足りないということだ。


この日、ストラスバーグは30歳の誕生日だった。
2010年6月8日、私はストラスバーグのメジャーリーグ初先発の試合を観ていた。
ストラスバーグは、メジャーリーグのドラフト史上最高の投手の名に恥じず、7.0回を14三振、0四球、4安打、1本塁打、自責点2の素晴らしい投球を見せてくれた。

私は、私の人生で最大のヒーローだったロジャー・クレメンスの後継者を探していた。
しかし、後継者にふさわしい投手をずっと見つけられずにいた。
私はこの投手こそクレメンスの後継者になれると確信した。
クレメンスのようにサイ・ヤング賞を7回以上獲得して、300勝、4,000奪三振を達成して、クレメンスやノーラン・ライアン、ランディ・ジョンソン、グレッグ・マダックス、トム・グラビン、私がリアルタイムで見た300勝投手の誰もが達成できなかった通算防御率2点台も達成して欲しかった。
私はメジャーリーグ史上最高の投手のデビューから引退までをこの目に焼き付けたかったのである。

ところが、その後のストラスバーグは故障が多く、勝負所ではいつも負けていた。
シーズン15勝が限界で、防御率も規定投球回数に達した年は2点台を達成したことがなかった。
それが、去年、やっと才能が開花して、勝ち星は15勝止まりながらも防御率は2.52だった。
大一番のNLDS第4戦ではインフルエンザ明けの体でありながら、7.0回を12三振、2四球、3安打、自責点0の素晴らしい投球を見せてくれた。
やっと、あの偉大なるクレメンスの後継者にふさわしい投球を見せてくれたのだ。


しかし、現実は残酷だ。
私はストラスバーグが300勝を達成するためにも30歳に達するまでに150勝近く勝って欲しいと思っており、サイ・ヤング賞も3~4回は達成して欲しいと思っていた。
ところが、現実には30歳で90勝52敗、防御率3.13であり、サイ・ヤング賞は1回も獲得できなかった。
奪三振王が1回だけ、それが現実なのだ。
そして、今季は6勝7敗、防御率3.90と平凡な投手に過ぎなくなっていた。


ハーパー3

それはハーパーも同じことだった。
メジャーリーグの本塁打記録を更新するといわれていたハーパーも伸び悩んだ。
ハーパーはストラスバーグと違って1回はMVPを獲得したけど、ストラスバーグと違って、絶不調のシーズンもあった。

ストラスバーグとハーパーがメジャーリーグの歴史に名を残す大選手となって、ナショナルズが黄金期を迎えるというシナリオが終焉を迎えつつある。
それはストラスバーグやハーパーが期待した通りの働きができなかった面もあるが、監督やコーチの選任を誤ったリゾーGMの責任でもある。

このブログに何度も書いてきたことだけど、マット・ウィリアムズ監督の後は経験豊富で優秀なベテラン監督を就任させるべきだった。
どんなに悪くとも、ベイカー監督のときに優秀な監督を就任させないと世界一になれないことに気付くべきだった。


新人監督でハーパーに強い態度に出ることができないマルティネス監督は、この日も怠慢プレーをして、大不振のハーパーを3番に据えた。
能力に疑問符が付くコーチたちは、ハーパーを、ストラスバーグを、ロアークを、そしてゴンザレスを不振から脱出させることができない。
選手たちは開幕からずっと同じ失敗を繰り返し、誰も修正する能力を持たない。

負け惜しみに聞こえるかもしれないが、どこかで優秀な監督を就任させておけば、ナショナルズは世界一を達成しただろう。
そして、自信を付けた選手たちが2連覇、3連覇する可能性も皆無ではなかったと思っている。

しかし、それも終わりだ。
もう、これ以上、地区優勝やワイルドカードを目指すことはこのチームにとって有害でしかない。
無理に結果を求めれば、ハーパーがオフにFAで退団し、チームの戦力はガタ落ちし、ファームも枯渇して低迷する未来しかないだろう。


思い切って、ハーパーを放出しよう。
若手の先発投手を得て、薄手のファームを強化した方がいい。
外野にはソトやロブレスもいるので、穴は小さいだろう。

監督やコーチの選任に失敗し続けたリゾーGM、今季の惨状を招いたマルティネス監督、コーチたちも全員解任した方がいい。
残念ながらこの船は沈むだろう。
やるべきことは船にしがみつくことではなく、1人でも多くの人が救命ボートに乗って、一刻も早く脱出することである。
船は沈むときに大きな渦巻きを起こす。
だから、その渦巻に巻き込まれて命を落とさないように、早くボートに乗って、その場を離れるべきである。
脱出が遅れるほど、たくさんの命が失われる。

涙を堪えながら、その決断をするときがきたのではないかと思っている。


【今日の投球】
http://www.brooksbaseball.net/pfxVB/pfx.php?month=7&day=20&year=2018&game=gid_2018_07_20_atlmlb_wasmlb_1%2F&pitchSel=544931&prevGame=gid_2018_07_20_atlmlb_wasmlb_1%2F&prevDate=720&league=mlb

【今日の動画】  
https://www.mlb.com/gameday/braves-vs-nationals/2018/07/20/530858#game_state=final,lock_state=final,game_tab=videos,game=530858


橋本環奈031

【環奈ちゃんの一言】
もう、今季はこれで終わりでしょう。
私は、一度も世界一になれなかったのはリゾーGMの責任が大きいと思っています。
正しい監督を選び、世界一の喜びを知れば、きっとストラスバーグ投手やハーパー選手の未来も違ったものになっていたんじゃないかと思います。
本当に残念ですが、これが現実です…。