s-CCサバシア



【Wikipedia】
https://ja.wikipedia.org/wiki/CC%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%90%E3%82%B7%E3%82%A2

【成績】
http://www.fangraphs.com/statss.aspx?playerid=404&position=P
http://www.baseball-reference.com/players/s/sabatc.01.shtml

【投球分析】
http://www.brooksbaseball.net/landing.php?player=282332

【PITCHf/xとは】
https://ja.wikipedia.org/wiki/PITCHf/x

1998年のドラフト1巡目(全体20位)で指名されてインディアンスに入団する。
マイナーリーグで慎重に育てられたが、2001年にメジャーリーグに昇格すると1年目から17勝5敗、防御率4.39という素晴らしい成績を残した。
2006年目までの6年間で二桁勝利を続けて、2007年にブレイクし、19勝7敗、防御率3.21という成績でサイ・ヤング賞を獲得した。
2008年はシーズン途中でブルワーズにトレードされたが、17勝10敗、防御率2.70とサイ・ヤング賞を獲得した2006年をも上回る成績を挙げた。

オフにFAとなり、ヤンキースに入団し、19勝8敗、防御率3.37の成績を残し、苦手とされていたポストシーズンでも3勝1敗、防御率1.98の好成績を残した。
2010年は21勝7敗、防御率3.18、2011年は19勝8敗、防御率3.00の成績でオプションを破棄し、ヤンキースと再契約した。

しかし、2010年以降、首位攻防戦やポストシーズンなどプレッシャーのかかる試合での脆さが露呈していたため、私は契約延長に反対だとブログに書き続けていたが、その意見に賛成する読者も少なかった。
現実には、再契約の翌年から転落が始まり、坂を転がるように不良債権と化したのだった…。
2017年は、14勝5敗、防御率3.69と好成績を残したが、果たして?


20180204-25

【平均球速】
私がいちばん問題だと思っていたのがメンタル面であるが、次に問題だと思っていたのがあの体格だった。
まあ、メンタルが弱いからこそ、節制できずにあの体格になるのだろうが、その影響でもはや全盛期の面影はどこにもない。
2009年には4シームの平均球速は95.17マイルだったが、今や平均以下の91.59マイルだ。
速球の威力が減った結果、スライダーの効果も半減した。


20180204-26

【最速】
2011年には4シームの最速は99.22マイルだったが、今や93.02マイルまで落ちている。
球速の低下は、サバシアの投球に深刻なダメージを与えている。
球速が低下してきた結果、コーナーを狙い過ぎるようになり、与四球率は3.03まで悪化した。


20180204-27

【配球】
4シーム 0.11%
シンカー 20.82%
チェンジアップ 14.45%
スライダー 32.53%
カッター 32.07%

ここ数年のサバシアの投球で大きく変わったのが、4シームを捨てて、カッターを増やしたことだ。
2年前と比較しても、4シームが28.30%→0.11%、カッターが0.75%→32.07%と4シームがカッターに置き換えられたような形だ。
シンカーも20.82%も決して多くない。
ただでさえ本塁打を打たれやすいヤンキースタジアムにあって、さらにフライボールレボリューションによって被本塁打が激増した。
このため田中将大と同じく本塁打を打たれやすい速球系を減らして、変化球を増やしたのだろう。

チェンジアップは、横7.63インチ、縦5.07インチの変化だ。
スライダーは横-6.08インチ、縦0.64インチと非常に大きな変化だが、空振り率が深刻に低下していることを鑑みれば、変化の大きさほどの威力はないと見た方がいいだろう。
恐らく4シームの球速が落ちた分、4シームとスライダーの球速の差が小さくなり、打者が対処しやすくなったのだろう。


20180204-28

【球種】
シンカーの空振り率は6.04%と平凡だ。
チェンジアップが16.89%、スライダー10.43%が、カッターが7.85%と速球系の衰えによって、変化球も活きてこなくなったことがわかる。


20180204-29

【対左打者・対右打者】
左打者に.250、右打者に.244とほぼ変わらない。
ただし、シンカーが右打者に対して被打率.347、左打者に対して.256、カッターが右打者に対して被打率.243、左打者に対して.400と球種ごとに通用するしないが顕著だった。


20180204-30

【ピンチにおける強さ】
走者なしで.226、走者ありで.273、得点圏に走者ありで.143となっている。
走者ありの方が打ち込まれているが、得点圏では粘り強かった


ヤンキースとの契約が切れる2017年は、14勝5敗、防御率3.69と一見、好成績を残したが、BABIPが.276、FIPが4.49、xFIPが4.11、LOB率が79.0%と明らかに出来過ぎだった。
その成績がいかに信頼できないかは、ヤンキースが1年契約しか提示しなかったことでも明らかだろう。
いかに37歳といえどもあの成績ならば、普通は2~3年契約を結ぶのが常識だからだ。
2018年はメッキがはがれて成績を大きく落とすだろう。