ノア・シンダーガード



【Wikipedia】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%89

【成績】
http://www.fangraphs.com/statss.aspx?playerid=11762&position=P
http://www.baseball-reference.com/players/s/syndeno01.shtml

【投球分析】
http://www.brooksbaseball.net/landing.php?player=592789

【PITCHf/xとは】
https://ja.wikipedia.org/wiki/PITCHf/x

2010年のドラフトで1巡目(全体38位)でブルージェイズに入団。
ブルージェイズは、2012年12月にサイ・ヤング賞を獲得したディッキーを獲得するため、シンダーガードをメッツに放出した。
私は、ディッキーは出来過ぎであり、ナックルボーラーがエース級の投球を続けるとは思えなかったので、最高値のうちに放出したメッツの判断は称賛に値すると思っていた。

シンダーガードは、2013年はA+と2Aでプレーし、2014年は3Aで9勝7敗、防御率4.60だった。
2015年に3勝0敗、防御率1.82の好成績を挙げてメジャーリーグに昇格した。
そこから9勝7敗、防御率3.24という1年目とも思えない好成績を残した。
2016年は打線の援護に恵まれず、14勝9敗に終わったが、防御率2.60、183.2回で218三振、奪三振率10.68、与四球率2.11と素晴らしい内容だった。
2017年はサイ・ヤング賞級の投球が期待されたが、故障のためにわずか30.1回しか投げられなかった。


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【平均球速】
4シームの平均球速が99.62マイルと先発投手としてはメジャーリーグ最高だ。
シンカーの平均球速は98.87マイルで、4シームよりもシンカーを多投している。
チェンジアップが90.98マイル、スライダーが93.15マイル、カーブが85.11マイルとどの球種も非常に速い。


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【最速】
4シームの最速が101.22マイル、シンカーが101.80マイルだ。
チェンジアップの最速が93.49マイル、スライダーの最速が95.61マイル、カーブの最速が87.73マイルとゲームの投手のようだ。


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【配球】
4シーム 8.89%
シンカー 42.44%
チェンジアップ 18.22%
スライダー 20.00%
カーブ 10.44%

4シームとシンカーで投球の51.33%を占めている。
2016年は4シームが29.02%でシンカーが30.28%だったが、2017年は4シームが8.89%でシンカーが42.44%とシンカーの割合が激増している。
4シームは横の変化が小さく、縦の変化が大きい、左右の違いこそあれカーショウのような球筋だ。
チェンジアップ、スライダー、カーブ、いずれもが変化が小さい。
変化球の曲がりを小さくしてコマンドしやすくしているのだろう。
変化が小さい分を球速で補い、空振り率を上げている。


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【球種】
4シームの空振り率は10.00%とまずまずなのに空振り率5.24%のシンカーを多投している。
4シームの被打率は.250なのに対し、シンカーは.302と極めて高い。
バットに当たりやすいということは必然的に被打率も高くなるので、4シームを減らしてまでシンカーを増やす必要があったのか疑問だ。
これだけの球速がありながら、シンカーの空振り率5.24%、被打率.302は異常なので、フォームが見やすいとか、球種がばれているなどの欠点があるのかもしれない。

チェンジアップは空振り率36.59%、スライダーは22.22%とメジャーリーグでも最高級の変化球だ。
カーブは6.38%と今一つだった。
速球投手のイメージからはかけ離れて、速球系が打たれやすく、変化球の方が優れている。


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【対左打者・対右打者】
左打者が.183、右打者が.300と極端に右打者に打ち込まれていた。
右打者に対しては4シームの被打率が.500、シンカーが.357と徹底的に速球系を打ち込まれていた。


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【ピンチにおける強さ】
走者なしで.229、走者ありで.260、得点圏に走者ありで.286とピンチになるほど弱い傾向があった。


2017年はイニングも少なく、BABIP.337、LOB率57.6%、FIPが1.31、xFIPが2.48なので運が悪かったとみることもできる。
しかし、シンカーの被打率は2016年から3割を超えている。
また、圧倒的な球速が体に負担をかけるのか、背筋の部分断裂でシーズンのほとんどを棒に振った。
そして、肘の故障も心配だ。

シンダーガードはシンカーを捨てて、4シームだけに絞った方がいいと思う。
個人的には、負担がかからないように球速を抑え気味にした94~95マイルの4シームでカウントを整え、優れた変化球で仕留めるというパターンの投球を心がけて欲しい。
100マイルの4シームは試合の要所だけで使えばいい。

2018年は故障せず200イニング投げて欲しい。
そうすれば自ずと結果はついてくるはずだ。