【Wikipedia】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB
【成績】
http://www.fangraphs.com/statss.aspx?playerid=9434&position=P
http://www.baseball-reference.com/players/k/keuchda01.shtml
【投球分析】
http://www.brooksbaseball.net/landing.php?player=572971
【PITCHf/xとは】
https://ja.wikipedia.org/wiki/PITCHf/x
2009年のMLBドラフトで7巡目(全体221位)で指名されてアストロズに入団。
2013年までは好成績を残すことができなかったが、2014年に12勝9敗、防御率2.93とブレイクし、ゴールドグラブも獲得した。
2015年には20勝8敗、防御率2.48でサイ・ヤング賞を獲得した。
入団当初はあまり期待されていなかったが、2014年の投球のモデルチェンジによって成功を収め、MLB屈指の好投手となった。
【平均球速】
4シームの平均球速90.37マイルは、MLB全体の平均と比較しても若干遅い。
他の球種にしても突出した球速はなく、球速だけに着目すると平凡な投手にも見える。
【最速】
4シームの最速は94.90マイルだ。
平均球速との差が大きいため、通常は球速を抑えておいて、勝負どころで球速を上げてくるフェリックス・ヘルナンデスのような投球スタイルなのだろう。
一説によれば、人間の体は100マイルを超える速球を投げ続けると肘がその負荷に耐えられないらしい。
このため、常に全力投球をするのではなく、球速を抑えられるところは抑えておいて、勝負どころでギアを上げて行くのが理想的な投球だといわれるようになってきた。
低い球速で打者を抑えるには、コーナーを突くコマンドが必要だろうし、質の高い変化球との組み合わせも必要になってくるから、簡単なことではない。
こうすれば、打者は低い球速に目が慣れてしまい、相手投手がピンチの場面で球速を上げてくると対処できなくなる場合が多くなる。
逆をいえば、最初から飛ばしてしまうと打者も2打席目、3打席目でその球速に目が慣れてしまうし、7回くらいの勝負どころでスタミナが尽きてしまう可能性もある。
投手寿命を延ばし、かつ長いイニングを投げるためにも球速が低い4シームで打者を打ち取れる技術がある投手は一流なのである。
【配球】
4シーム 6.27%
シンカー 50.25%
チェンジアップ 13.70%
スライダー 20.05%
カッター 9.73%
投球の半分以上はシンカーが占める。
シンカーは大きくシュートするタイプの球で、縦よりも横の変化で勝負している感じだ。
チェンジアップの球筋もシンカーによく似ており、両者を見分けるのは球速の差だけしかない。
この球が同じフォームで投げ込まれるので、その球速の差に打者は翻弄されるのである。
スライダーは極めて大きく変化していて、あのカーショウと同等のレベルだといっても過言ではない。
このチェンジアップとスライダーがカイケル最大の武器である。
【球種】
上記の通り、4シームの平均球速が90.37マイルしかない投手が232.0回で216三振も奪えるのは、変化球の質が高いからである。
4シームの空振り率が5.68%、シンカーが5.94%と平凡であるにもかかわらず、チェンジアップが20.08%、スライダーが19.13%と非常に高い。
特にスライダーのコマンドが良く、左打者だけではなく、右打者に対しても非常に有効な球になっている。
【対左打者・対右打者】
左打者に対して、被打率.171、長打率が.255と圧倒的な強さを見せている。
打者から逃げて行くようなスライダーに手も足も出ないに違いない。
右打者に対しても.228と高い水準を維持している。
【ピンチにおける強さ】
走者なしで.205、走者ありでは.236、得点圏に走者ありだと.252とピンチになるほど打たれやすくなっている。
しかし、これは打者との駆け引きを覚えて行けば良くなるのではないかと思う。
球速を除けば、変化球の質もコマンドの良さもあのカーショウとの比較にも耐えられるレベルだと思う。
ただ、変化球の曲りが大き過ぎる感じもするので、これを見送られてボールになってしまうと苦しい投球になってしまう可能性がある。
この点がカーショウを超えられないところだ。
カーショウは、95マイルを超える速球を外角低めに決めたり、スライダーを警戒している打者の裏をかいて高めの速球で空振りに仕留めたりすることができるからだ。
とはいえ、あの変化球だけでも毎年15~17勝、防御率3.00前後できる能力はあるだろう。
ストラスバーグと同じ年にドラフトされた投手なだけに、ストラスバーグも負けないように頑張って欲しいと思う。