s-ジャスティン・バーランダー



【Wikipedia】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC

【成績】
http://www.fangraphs.com/statss.aspx?playerid=8700&position=P
http://www.baseball-reference.com/players/v/verlaju01.shtml

【投球分析】
http://www.brooksbaseball.net/landing.php?player=434378

【PITCHf/xとは】
https://ja.wikipedia.org/wiki/PITCHf/x

2004年のドラフトで1巡目(全体2位)で指名されて、デトロイト・タイガースに入団した。
2005年には早々とメジャーにデビューするが、0勝2敗、防御率7.15と振るわなかった。
しかし、2006年は17勝9敗、防御率3.63で新人王となった。
以後、不振だった2008年を除き、17勝以上の勝ち星を挙げ続ける。
そして、2011年、ついにブレイクを果たし、24勝5敗、防御率2.40でサイ・ヤング賞を獲得した。
2012年も17勝8敗、防御率2.64と好成績を残すが、以後、成績が悪化して行った。
2015年は、故障のため133.1回と新人王獲得以降では初めて規定投球回を投げられず、5勝8敗と負け越したが、防御率は3.38と回復してきた。
2016年は、かつての支配的な投球に戻れるか、劣化するかの分岐点になるだろう。


20160207-07

【平均球速】
デビュー以降、どんどん4シームの平均球速が上がり、サイ・ヤング賞を獲得した時点では95.75マイルだった。
しかし、これ以降平均球速が下がり続け、これと共に成績も低下して行った。
今季は若干の回復を見せ、93.93マイルとなっている。
チェンジアップは平均球速が84.81マイル、カーブは79.92マイルと控え気味だ。
変化球の球速を抑えることで、緩急を付けているのだろう。


20160207-08

【最速】
サイ・ヤング賞を獲得した2011年は、4シームの最速は何と103.36マイルだった。
しかし、現在では99.97マイルとなっている。
全盛期から比べれば落ちてはいるが、MLB屈指の球速であることは間違いがない。

以前、ネットで「最も優れた速球投手とは、最速と平均球速の差が大きい投手だ」という意見を読んだことがある。
また、一説によれば、今日、トミー・ジョン手術が多くなったのは、球速の上昇と無関係ではなく、人間の肘が100マイル近い速球を投げ続けることに耐えられないからだといわれている。

このため、普段は92マイル前後の4シームでコーナーを狙うなどして、打者を打ち取り、必要なときだけ97マイル前後の4シームを投げることが肘の故障を防ぐのだ。
そして、90マイル前半の4シームに慣れていた打者も、ピンチの場面での球速が上がることでタイミングを合わせづらくなる。
反対に、97マイル前後の4シームばかり投げようとすると、2順目、3順目で打者のタイミングも合ってくるし、前半から飛ばし過ぎて6回、7回にスタミナも尽きてきて、勝負どころで失点を許してしまう。

ナショナルズでいえば、前者がマックス・シャーザーの投球なのであり、後者がスティーブン・ストラスバーグの投球なのだ。
両者の実績の差がこの仮説に説得力を持たせてくれる。


20160207-09

【配球】
4シーム 58.59%
チェンジアップ 9.08%
スライダー 16.77%
カーブ 15.51%

投球の約6割が4シームだが、4シームは縦の変化が非常に大きい。
打者からすれば、ポップしてくるように見えるだろう。
変化球は総じて変化が小さい。
変化を小さくして扱いやすくしようとする意図が見える。


20160207-10

【球種】
4シームの空振り率は10.02%とまずまず。
チェンジアップは12.31%、スライダーは16.67%、カーブは6.91%だ。
コマンドはいい方なので、以前のような球速がなくなった分、変化球を磨き、変化球の空振り率を向上させていけば、再ブレイクも可能だと思う。
特にカーブの質を向上させればいいのではないだろうか?


20160207-11

【対左打者・対右打者】
左打者に.212、右打者に.242と右打者の方が打たれている。


20160207-12

【ピンチにおける強さ】
走者なしで.193、走者ありで.287、得点圏に走者ありで.261と走者がいた方が打たれやすい傾向にある。
ここまで極端な差があると、セットポジションでの投球に問題があるのかもしれない。


2011~2012年は、最速103.36マイルの圧倒的な球速で押し切る投球だったが、今後は変化球を磨き、総合的に完成度が高い投球を目指していくべきだろう。
個人的には、17勝、防御率3.30程度の投球は可能だと思うし、変化球の質をさらに高めれば、これ以上も狙えると思っている。
かつて同僚だったマックス・シャーザーの投球はいい手本になるだろう。